「3.11映像記録のこれまで、これから 2016 ~ 小さな物語の積み重ねから立ち上がるもの」終了(11月6日)

2016/11/18

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年に一度の当アーカイブ主催の上映・ディスカッションセッションが11月6日に無事終了しました。おかげさまで、肌寒い日曜の午後5時間近く、たくさんの方に来場いただきました。

当日はアーカイブの活動状況、震災記録映画の制作状況をご報告した後、『あの日を生きた私たち ~ 大学生が聴く震災体験』上映後、登壇者3名と制作した学生たちを交え、作品について議論。被災当事者から厳しい意見も出、議論を通して、震災の体験を他者に伝えること=分有そのものの難しさ、そして映像・視覚メディアの役割と限界について、深く考えさせられました。リアス・アーク美術館の山内宏泰さんからは、震災映像記録を見る際、それが「誰」に向けて作られた作品かを考えること、あるいは「誰」に向けて作った映画なのかを製作者はまず自身に問うこと、そして特に将来に向けての防災という側面では、フィクション、ノンフィクションの境を超えて、見る者の知覚・記憶に深く結びつく表現、語りが必要であることなど、重要な提言もいただきました。また郡山で被災者への聞き取りを行なっている鈴木美貴子さんからはいまだ福島からの情報発信・表象に偏りがあること、災害社会学者金菱清さんからは、そうした聞き取り調査、インタビューでは聞く側の力が大きく問われること、また幽霊現象や夢のような、公の言説では捨象されがちな被災者の意識や感覚について継続して注目する必要がある、など貴重なお話も伺いました。

翻って、映像アーカイブとは誰に向けて、何をどう伝えていくべき存在なのか。今後もこうしたさまざまな分野の方々からお話を聴く機会を設け、皆さんと深く考えていければと願っています。

※イベントの内容はこちら

「311ドキュメンタリーフィルムアーカイブ担当・畑あゆみ(山形国際ドキュメンタリー映画祭事務局)

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